新潟県、原発再稼働巡る予算案を提出 知事「信問う」も可決確実

2025/12/02 18:19 

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 新潟県の花角英世知事は2日招集の県議会12月定例会に、東京電力柏崎刈羽原発の安全対策や防災対策を県民に周知するための広報費3142万円を計上した2025年度一般会計補正予算案を提出した。花角氏はこの予算案の可否をもって自身への信を問う考えだが、過半数を占める自民党会派が既に信任を決めており可決は確実。22日の採決後、年内にも政府に対し再稼働への同意を正式に伝える。

 花角氏は2日の県議会本会議で「私としてはこの(再稼働容認)判断を行ったこと、およびこの判断に沿って今後知事の職務を続けることについて、県議会の信任を得られるか、または不信任とされるかの判断を仰ぎたい」と県議会側に求めた。

 花角氏は初当選した18年知事選時に「再稼働の是非は、県民に信を問う」と公約。その方法について幾度となく、再稼働の是非を争点とした「出直し知事選」など県民の直接投票を示唆してきた。

 しかし再稼働の容認を表明した11月21日の臨時記者会見で、県議会での議決を選択すると説明。県民の一部から「公約違反だ」との声が強まっている。

 予算案は、他の事業費から広報費だけ分離して別建てとした。その理由について、花角氏は11月26日の定例記者会見で「過去にも重要なテーマを集中的に議論しやすいように議案を分けたケースがあり、それに倣った」と説明。この予算案の可決をもって自らへの信任と捉えるのかと問われると「どういう形で意思を表示してもらえるかはわからない。職務を続けられるかどうかは県議会にお任せしている」と述べるにとどめた。財源は再稼働した場合に支給される国の交付金を充てるとしている。【木下訓明】

毎日新聞

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