高市首相、除去土壌処分「段階的に道筋示す」 福島第1原発視察

2025/12/02 18:31 

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 高市早苗首相は2日、就任後初めて福島県を訪れ、東京電力福島第1原発などを視察した。首相は視察後、記者団に対し、中間貯蔵施設に保管されている除染土の最終処分などに向けたロードマップ(行程表)について、「段階的に2030年以降の道筋についても示していく。これを新たにお約束する」と述べた。

 政府は1キロ当たり8000ベクレルを超える除染土について、法律で45年までに県外で最終処分すると定めている。だが、従来のロードマップでは30年ごろに最終処分候補地の選定や調査を開始するなどと示すにとどまっている。

 また、原発の廃炉作業に関し「国が前面に立ち、最後まで責任を持って取り組む」と表明。東電側には安全確保を最優先に、地元の理解を得ながら作業を進めるよう要請した上で、「経営陣がリーダーシップを発揮して緊張感を持って取り組むようお願いした」と注文を付けた。

 帰還困難区域については「20年代をかけて帰還意向のある住民が全員、帰還できるように除染やインフラ整備など避難指示解除に向けた取り組みを進めていく」と強調。「将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組む決意だ」と語った。

 首相は、原発事故に伴い福島県内の除染で生じた除染土を保管する中間貯蔵施設のほか、同県双葉町の帰還困難区域や廃炉作業が進められている第1原発の構内などを視察した。【神山恵】

毎日新聞

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