<ヤングケアラー~幼き介護>家族を介護する「ヤングケアラー」支援条例 埼玉県制定へ 全国初

2020/03/26 06:30 

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 通学や仕事をしながら家族を介護する子ども「ヤングケアラー」の支援を盛り込んだ全国初の条例案が、27日に埼玉県議会で可決・成立し、31日に施行される見通しだ。教育の機会の確保など、県内の学校や教育委員会に支援を義務づけ、県は具体策を盛り込んだ推進計画を策定する。介護負担が過度になれば学業や進路に悪影響が出かねないヤングケアラーの問題に、自治体が国に先駆けて取り組む形だ。今後他にも波及する可能性がある。

 条例案は議員提案の「埼玉県ケアラー支援条例」。高齢や障害、病気などで援助が必要な身近な人に対して「無償で介護、看護、日常生活上の世話を提供する者」をケアラーと定義。社会全体で支えると基本理念を定めた。

 特に、児童福祉法の児童にあたる18歳未満はヤングケアラーと明記。社会で自立する基礎を培い、人間の基本的な資質を養う重要な時期だとして、適切な教育の機会の確保や心身の健やかな成長、発達、自立が図られるよう「支援を行わなければならない」とした。

 日常的にヤングケアラーに関わる可能性がある県内の学校・教育委員会は、教育状況や生活環境などを確認し、支援が必要かどうかを把握。教育や福祉の相談に応じ、支援機関に取り次ぐとしている。

 条例案は、県にヤングケアラーを含むケアラー支援に向けた推進計画の策定を義務づけ、県はまず実態調査の実施を検討。計画に盛り込むヤングケアラーの支援策は、学級担任らによる個人面談や家庭訪問▽校内生徒指導員会などの情報共有▽スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーとの連携・協力――などの案が浮上している。【田中裕之、向畑泰司】

 堀越栄子・日本女子大名誉教授(家政学)の話 家族による介護を当然視する日本社会で、ケアラー全体を支援対象とする条例案は画期的だ。特にヤングケアラーは早期発見が重要なため、子どもが長い時間を過ごす学校の役割が明記された点は大きい。子どもから高齢者まで介護に関わらざるを得ない状況は全国共通であり、政府も支援の法制化に取り組んでほしい。

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