被爆写真を見つめたEU大統領 核廃絶主導に市民ら期待 広島

2022/05/14 12:11 

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 シャルル・ミシェルEU大統領が被爆地・広島から平和のメッセージを発信した。ロシアによるウクライナ侵攻で核兵器使用の危機が現実味を帯びる中での訪問。被爆者や面会した関係者、市民らはどう受け止めたのか。

 原爆資料館で同行した寺田稔首相補佐官によると、ミシェル氏は子どもの被爆の写真や、被爆者が描いた絵に見入っていたという。

 ミシェル氏は湯崎英彦知事とも意見交換。「核兵器による破滅から逃れる唯一かつ確実な方法は、廃絶しかない」とする湯崎知事に、ミシェル氏も賛同したという。湯崎知事は「一日も早い核兵器廃絶の実現に向けて、具体的なプロセスが進むようリーダーシップを発揮してほしい」とコメントを発表した。

 県原爆被害者団体協議会の箕牧智之理事長(80)は「EUのトップが広島からメッセージを発信したことは価値がある。改めて被爆の実相を学んで帰られたと思う」と評価した。広島ウクライナ人会のメンバー、アナスタシアさん(38)も「核兵器を使うことをロシアが言うだけでも脅威で世界中が危なくなる。だからこそ、世界が力を合わせて戦争を止めないといけない」と話した。

 平和記念公園周辺では、ミシェル氏の役割に期待する声が聴かれた。仙台市から観光に来た菅井良彦さん(66)は「核兵器を使用すれば、子どもを含め多くの犠牲者が出るということを理解したはず。ロシアに核を使わせないよう働きかけてほしい」と話した。東京から訪れた女性会社員(52)は、父が広島で被爆したといい「父の体験を想像し涙が出た。この場所に来た以上、絶対に核兵器を使用させないでほしい」と求めた。【手呂内朱梨、岩本一希、矢追健介、根本佳奈】

毎日新聞

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