バス運転手に市営住宅を無償提供へ 全国初 人手不足深刻化で 岐阜

2025/03/13 18:00 

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 深刻化するバスの運転手不足を受けて、岐阜市は2025年度から、路線バスの運転手に採用された人に市営住宅の空き室を無償で提供する制度を導入する。岐阜乗合自動車(岐阜バス)と連携し、市と同社が家賃を半分ずつ補助する取り組みで、運転手の家賃負担はゼロになる。市によると、同様の事例は全国初という。

 岐阜バスは岐阜市内を中心に43路線を運行しているが、高齢化や労働時間規制などの影響で運転手は年々減少。市によると、19年の490人から23年は398人まで減り、これに伴い運行便数も5年間で約20%減ったという。

 市はこうした状況を受け、市民の足となる路線バスを維持するため、岐阜バスが新たに運転手を採用した場合、市が希望者に市営住宅の空き室を提供する。対象は1年間5人までで、市と岐阜バスが月2万円ずつ計4万円を上限に補助し、家賃の全額をまかなう。

 市は民間アパートに入居する人の家賃も月1万5000円補助するといい、合わせて15人分の計300万円を25年度一般会計当初予算案に盛り込んだ。市交通政策課は「運転手に応募する人の8割が市外在住で、住宅手当への関心が高いことから支援を決めた」としている。

 同じような取り組みは兵庫県尼崎市が25年1月から、阪神バスの新規採用運転手に市営住宅を月6500円で提供しているが、家賃負担ゼロは初めてという。【稲垣洋介】

毎日新聞

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