夜空に100周年祝う2万発 2年ぶり土浦花火大会に歓声

2025/11/02 09:54 

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 全国の花火師が日本一の技を競う「土浦全国花火競技大会」が1日、茨城県土浦市の桜川河畔であり、約65万人(主催者発表)が夜空を彩る約2万発を楽しんだ。昨年は荒天と警備の不備で中止に追い込まれ、2年ぶりの開催となった。今年は大会100周年を迎え、市民や花火ファンの喜びもひとしおで、夜空に大輪の花が咲くたびに大きな歓声や拍手がわいた。

 今年も19都道県から57業者が参加し「10号玉」「創造花火」「スターマイン」の3部門で持てる技と独創性を競いあった。幅500メートルに及ぶ人気のスターマイン「土浦花火づくし」も披露され、壮大なショーに涙を流す人の姿もあった。

 大会は秋田の大曲、新潟の長岡と並び「日本三大花火」の一つとされる。1925年に市内にある寺の住職が、霞ケ浦海軍航空隊(阿見町)の殉職者慰霊と関東大震災で落ち込んだ経済を活性化させる目的で私財を投じ、霞ケ浦湖畔で開いたのが始まり。

 第二次世界大戦や昭和天皇の体調悪化、新型コロナウイルスを理由に中止となったことはあるが、それ以外では毎年続けられてきたといい、昨年の大会中止は関係者らに衝撃を与えた。2年ぶりの「復活」と100周年大会が重なり、市民は「感動で胸いっぱい」と喜びをかみしめていた。【鈴木美穂】

毎日新聞

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