不登校児のネット出席、周知徹底と基準明確化を 当事者や研究者訴え
不登校中にオンラインで学習した場合に出席扱いできる「ネット出席」の制度が十分に浸透していないとされる問題で、不登校の当事者や教育学者の内田良・名古屋大教授らが12日、東京都千代田区で記者会見し、学校・教育委員会と保護者に対する制度の周知徹底と、出席と認めるための基準の明確化が必要だと訴えた。
ネット出席を巡っては、すららネット(東京)が手がける人工知能(AI)教材を利用する不登校の児童生徒と保護者を対象とした調査で、子どもの約6割、保護者の4人に1人が制度を知らないと回答。ネット出席は校長の裁量で認定可能だが、「前例がない」などとして断られるケースもあることが判明している。
「家で頑張って勉強しても学校が認めてくれないなら、意味がないと思った。学びたい気持ちはあるのに努力が無駄に感じ、やる気をなくすこともあった」。京都府内の公立中学3年の女子生徒は記者会見で、ネット出席を学校に拒否された経験をこう振り返った。
同席した母親は「制度の運用のあり方が、子どもの心に大きく影響すると痛感した。ネット出席については文部科学省が通知を出しているが、現場の学校では絵に描いた餅のままだ」と批判。学校がどういう基準でネット出席を認めるべきかはっきりしていないことが運用の妨げになっているとし、出席扱いとするためのガイドラインや実践的な運用事例を示すよう文科省に求めた。
不登校ジャーナリストの石井しこうさんは「(文科省通知では)校長が子どもの事情を考え、弾力的に判断できるように、という趣旨で具体的な要件が絞りこまれていない。しかし、現場では大きな教育格差が生じている」と問題視した。
すららネットの調査に関わった内田氏は、ネット出席について説明を受けたことがある保護者が1割にとどまった結果を「本当に少ないと思う。当事者がどう学びを継続すべきか自力で考えているのが現状で、こうした家庭をサポートするのは教育行政の大きな課題だ」と話した。
その上で、「学校側は制度を伝えたつもりになっているかもしれないが、不登校の当事者は混乱状態にあり、保護者に認識されていない可能性がある。紙で伝えたり、時期をずらして何度か伝えたり、どう伝えたら良いかも考える必要がある」と提案した。
すららネットの佐々木章太・子どもの発達支援室長は、ネット出席を認められ、学習に前向きになった子が多かったとの調査結果を紹介し「ネット出席は高校入試に向けた内申点のためと語られるが、本質は子どもの自己肯定感に寄与することだ」と強調した。【斎藤文太郎】
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