「公約違反だ」 新潟県議会で県民が知事にヤジ 原発再稼働巡り

2025/12/02 16:07 

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 新潟県議会12月定例会が2日開会した。本会議で花角英世知事が、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認すると表明し、その判断に関してこの議会で自身への信任を問いたい旨を発言すると、傍聴席から「公約違反だ」「恥を知れ」などとのヤジが飛んだ。

 花角氏は冒頭、前回の議会以降の県政の主な動きを説明するとして、自身が11月21日に表明した再稼働の容認について言及した。

 そのうえで、この判断に対する県民の意思の確認方法について、県議会に対し「信任を得られるか、または不信任とされるかの判断を仰ぎたい」と述べ、今定例会中の信任・不信任を求めた。

 花角氏は初当選した2018年の知事選以来、再稼働の是非を判断した際は「県民に信を問います」と公約してきた。その手法は明示してこなかったが、県民の直接投票による方法を幾度となく示唆してきた。

 しかし、実際に選択したのは県議会で「信」を問うという手法で、この日の県議会の傍聴席では、再稼働に反対・慎重姿勢の県民らが花角氏の一連の発言に対し、ヤジを飛ばした。

 今定例会には原発再稼働に伴う安全対策や防災対策を県民に周知するための広報費3142万円などを計上した2025年度一般会計12月補正予算案が提出された。

 花角氏はこの可否によって自身への「信」を問う考えで、採決は閉会日の22日となる見通し。【木下訓明】

毎日新聞

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