堺市の公立中学校長、教育委員会から「パワハラ受けた」と提訴

2025/12/02 20:23 

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 堺市立中学校の現職の校長が2日、生徒の保護者への対応を巡って同市教委の複数の職員からパワーハラスメントによる精神的苦痛を受けたとして、同市を相手取り、慰謝料など330万円の損害賠償を求めて大阪地裁堺支部に提訴した。

 訴状などによると、校長を務める中学校で、生徒指導を巡って保護者が校長に苦情を申し立てた。市教委は、説明会を開いて謝罪し、全ての生徒と保護者に指導は不適切との内容の手紙を出すよう校長に指示。市教委の担当者が話し合いの際に机をたたいて声を荒らげたという。

 市教委との協議は1年半にわたり、校長は24年12月に適応障害、25年5月にはうつ病と診断された。校長の代理人弁護士は「職務上の優位性を背景にした不必要な要求は過大業務に該当し、1年以上にわたったのは異常」と指摘した。

 提訴について、市教委は「内容を確認して今後の対応を判断する」とコメントした。渡辺耕太・学校教育部長は取材に「提訴され驚いている。校長に適切に対応したと認識している」と述べた。【中村宰和】

毎日新聞

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