森内俊之九段、10年ぶりの棋戦優勝 羽生九段退け達人戦初V

2025/12/07 18:03 

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 将棋のシニア棋戦、第3回達人戦(立飛ホールディングス特別協賛)本戦の準決勝と決勝が7日、東京都立川市で指され、決勝で森内俊之九段(55)が羽生善治九段(55)に135手で勝ち、初優勝を果たした。森内九段の棋戦優勝は2015年2月のNHK杯将棋トーナメント以来。

 達人戦は満50歳以上の棋士に参加資格のある棋戦。準決勝では、森内九段が郷田真隆九段(54)、羽生九段が佐藤康光九段(56)との「羽生世代」対決を制して決勝戦に進んだ。

 決勝はどちらの玉が先に詰むか分からない、手に汗握る終盤戦に。森内九段の弟子、野原未蘭女流二段も「これ詰むの?」と落ち着かない様子でモニターを見守った。

 終局後、森内九段は「最後は詰まされて負けかと思っていた。ツキがあった。羽生さんとは小学校の頃からずっと一緒に修業してやってきて、一番多く対戦している相手。最近は対戦が減っていたので(今回の)対戦をすごく楽しみにしていた。力を尽くして指せて熱戦になってよかったし、結果はうれしい」と表情をほころばせた。

 2年前、初代達人の座を得た羽生九段は「終盤はチャンスがあったような気もするが読み切れなかった。熱戦にはなったんですけど、いろいろミスがあった気がする」と悔しそうに振り返った。

 森内九段は表彰式後に報道陣の取材に応じ、「この前の優勝が把握できないくらい随分前のことだった」と約10年ぶりの棋戦優勝をかみ締めた。

 達人戦は第1、2回と準決勝で敗退した。「その壁を破って上まで行けてよかった。今回は年齢を限定した棋戦だが、全棋士参加の棋戦でも活躍したい。『達人』という称号はありがたいがまだまだそのレベルまで達していないので、今後とも精進して更に上を目指していきたい」と、他棋戦での活躍を期した。【丸山進】

毎日新聞

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