渡良瀬川の中橋架け替え、事業費が倍増の210億円に 栃木

2025/12/09 16:35 

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 栃木県と国が2027年度までの7カ年事業で進めている渡良瀬川に架かる足利市の中橋の架け替えなどにかかる事業費が、当初予定の107億円からほぼ倍増の210億円に膨らむ見通しになった。事業評価をしている県、国の委員会はいずれも増額と事業継続を認める評価をした。労務資材費の高騰などが原因で、増額分は26年度予算から反映される。

 増額の内訳は、労務資材単価の高騰で53億円、橋を支えるために地盤に打ち込む杭(くい)の延長などで31億円、3連アーチの移設をスライド方式からつり下げ方式に変えた工法変更で7億円、解体建物のアスベスト対策など補償関係で12億円。これに伴い、河川管理者の国、道路管理者の県の分担は国が37億円から74億円、県が70億円から133億円にそれぞれ増え、足利市も市道の整備などで3億円を負担する。

 今年度までに県と国は81億1000万円を投資し、3連アーチを移設した歩行者・自転車専用橋を設置するなどしている。事業の進捗(しんちょく)率は39%。

 増額については県の公共事業評価委員会、国の利根川水系渡良瀬川河川整備計画フォローアップ委員会がそれぞれ、代替計画の検討より現在の計画の継続が妥当とする評価をまとめた。

 27年度までの事業年度に変更はなく、今年度下期からは両岸の堤防のかさ上げ、新橋の下部工、JR両毛線をまたぐ高架橋の整備などに入っている。これに伴い、県は5日から現場となる県道家富町堀込線(中橋通り)の通行止めの範囲を中橋左岸の県道桐生岩舟線(旧50号)交差点まで拡大した。

 また、JR東日本は6日、通行止め区間の宝来社街道踏切と西側の町南一号踏切を廃止し、代替として中橋通り東側に「通二丁目踏切」を新設した。警報機、遮断機付きの第1種で、車両も双方向から通行できる。【太田穣】

毎日新聞

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