旧統一教会会長が辞任表明 「今なお被害訴える方々がいる」と謝罪

2025/12/09 16:48 

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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長は9日、東京都渋谷区の教団本部で記者会見を開き、同日付で辞任すると表明した。

 田中氏は冒頭、辞任の理由について「継続して社会をお騒がせしてきたこと、今なお被害を訴える方々がいらっしゃることに対する道義的な立場からです」と述べた。

 続けて「私たちの活動が一部の方々に深い心痛を与えたことは軽視できない。会長として事態を真摯(しんし)に受け止め、社会からの信頼回復に向けた一歩を踏み出すため辞任を決意した。申し訳ありません」と謝罪した。

 高額献金などの被害に対する教団の組織的な責任について問われると、「組織的にしっかり対応していくことが必要だ。責任を持って取り組んでいきたい」と明言を避けた。

 政府が教団の解散命令を請求した後の2023年11月に開いた会見で、田中氏は「教団として過ちがあれば謝罪しなくてはならないが、被害者も被害金額も不明確」と組織的な責任を否定し、「謝罪」という言い方を避けていた。

 旧統一教会を巡っては、東京地裁が25年3月、教団に解散を命じる決定を出した。教団側の即時抗告を受けた東京高裁の審理は11月21日に終結し、来春にも判断が示される見通し。高裁が地裁決定を支持すれば、最高裁の判断を待たずに解散命令の効力が生じ、教団の財産を清算する手続きが始まる。

 田中氏はこの日の会見で、辞任の理由について他に、高裁の審理の対応に区切りがついたこと、安倍晋三元首相銃撃事件以来の教団改革により次世代への交代に道筋が付いたことも挙げた。【宮城裕也】

毎日新聞

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