「遊郭」モチーフのイベントチラシを小学生に配布 北九州市が謝罪

2025/12/09 18:59 

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 北九州市が共催し小倉北区の小倉城周辺で10月にあった「小倉お城まつり」で、江戸時代の遊興の場である遊郭などをモチーフにしたイベント開催を告知するチラシが市内の小学生に配布された。小笠原圭子・都市ブランド創造局長は9日、「公共施設で使用する際は歴史的背景の説明など慎重を期すべきだった」と謝罪した。

 開会中の12月市議会で、村上聡子市議(緑の風)の一般質問に答えた。

 市によると、小倉お城まつりは小倉城の指定管理者を中心に実行委員会が主催し、市は例年共催している。9月上旬の共催申請には遊郭やおいらんなどの文言はなかったが、下旬に提出されたチラシにはアトラクションとして「小倉遊郭」と称したフォトスポットや「花魁(おいらん)カフェ」などと記載された。市は記載を見落としたまま市内の小学生に配布した。

 イベント開催の前日に市の担当者が会場で看板などを発見し問題視。主催者に企画内容の見直しを求め、遊郭やおいらんの要素を排除してイベントは実施された。

 小笠原局長は「当時の文化や芸能に影響を与えた一方で、現代の価値観からすると女性の人権侵害を内包する制度であると認識されている。公共施設でこのテーマを扱う際には歴史的な背景や人権の視点から説明を加えるなど十分に慎重を期すべきだった」と答弁し、謝罪した。

 市教委の太田清治教育長も「人権や歴史的、倫理的妥当性に関わる内容のチェックリスト化など組織内の連携を強化したい」と述べた。【山下智恵】

毎日新聞

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