養殖カキ大量死、広島県内全海域に被害 死因は海域で異なると推察

2025/12/09 19:43 

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 瀬戸内海を中心に養殖カキが大量死している問題で、広島県は9日の県議会農林水産委員会で、被害が県内の全海域に広がっている状況を報告した。呉東部地区(倉橋島の東側)や東広島地区など県中東部では8~9割が死んでいるが、3割や5割の海域もある。海域によって死因が異なると推察している。

 カキ生産者などからの聞き取りやデータを基に、12月4日現在の状況を報告した。被害の大きい呉東部では7~9割、東広島では8~9割が死んでいるが、江田島や廿日市、広島各地区など県西部でも被害は拡大。へい死率は大竹地区5~8割、廿日市地区5~9割、広島地区5~9割、江田島地区3~9割、呉西部地区6~9割。県東部の尾道・福山地区は5~9割だった。

 原因として、中東部では高水温と高塩分環境による生理障害と推定。西部では高水温に加えて貧酸素の影響と分析している。

 県は、養殖業者に必要な運転資金を無利子で融通する支援策を検討しており、年内に地区ごとの説明会を予定する。原因分析や対策のため、有識者を交えた検討会議を来月中に開く方向で調整している。【川原聖史】

毎日新聞

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