東京五輪で豪雨予測の新技術導入へ 地デジ電波で精度高める

2019/02/12 10:33 

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 ゲリラ豪雨や竜巻が起きるタイミングを短時間で正確に予測しようと、新型気象レーダーや地上デジタル放送(地デジ)の電波を利用して雨のもととなる上空の水蒸気量を推定する実験が首都圏で行われている。この新技術は国立研究開発法人「情報通信研究機構」(東京都小金井市)などが中心となり、産官学で共同開発した。2020年の東京五輪・パラリンピック前の実用化を目指しており、競技運営にも役立てたい考えだ。

 局地的な豪雨が起こるメカニズムはこうだ。上昇気流で高度4~6キロの大気上層に運ばれた水蒸気は冷やされて「豪雨のタマゴ」をつくる。タマゴは徐々に大きくなり、その重さで大気の下層に移り、10分ほどで地上に雨を降らせることが多い。従来の気象レーダーでは下層しか捉えられず、豪雨になる直前まで予兆を把握できなかった。分析にも5~10分を要していた。

 新型レーダーは「マルチパラメーター(MP)・フェーズドアレイ気象レーダー」と呼ばれ、雨粒の大きさまで観測できるMPレーダーと、30秒程度で雨雲の構造を立体的に把握できるフェーズドアレイレーダーが組み合わさっている。

 レーダーは平面型のアンテナを備えており、おわん型のアンテナを回転させる現在のレーダーに比べて広範囲に電波を出し、20~30分後のゲリラ豪雨や竜巻を予測することができるという。

 予測の精度をさらに高めるのが地デジ電波を使った水蒸気量の推定だ。同機構は、空気中の水蒸気量が1%増えると、電波が伝わる速度が1兆分の17秒遅くなる性質に着目。大気中の水蒸気量の変化傾向を気象予測に取り入れることで、より正確に豪雨が発生するタイミングをつかむことができるという。

 実験は昨年から始まり、今年も行われている。同機構の担当者は「この技術を使えば、雨が降る前に洗濯物を取り込めるようにもなる。生活に直結する技術なので、なるべく早く実用化したい」と話している。【最上和喜】

毎日新聞

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