「早く横綱に」大関昇進決めた朝乃山の地元・富山は歓喜 のぼり、横断幕で祝福

2020/03/25 19:41 

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 「誇らしい」「次は横綱に」――。大相撲の朝乃山(高砂部屋)の大関昇進が正式に決定した25日、地元・富山市呉羽地区では、県出身として太刀山以来111年ぶりの快挙に、祝福の声が上がり、更なる昇進を期待する声が相次いだ。【高良駿輔、森野俊】

 ◇銭湯に飾られる「初めて」のサイン、ゆかりの鶏から揚げ定食

 朝乃山が帰省の際によく訪れる銭湯「呉羽の湯」には特別なサインが飾られている。銭湯のオーナー、小林登紀夫さん(66)によると、2017年春場所での新十両昇進が決まり、しこ名を石橋から朝乃山に改めた時の、最初のサインという。

 新しこ名が正式発表される前に来店した時に書いてもらい、朝乃山は「まだどこでも書いていない」と話していたという。「大切な1枚」と目を細める小林さんは、「朝乃山関の活躍で町が元気になる」と郷土の星をたたえた。

 銭湯の客で富山市の無職、瀬野則子さん(69)は「昇進は大変めでたい。朝乃山関が活躍するようになってからよくテレビで相撲を見るようになった。既に横綱の風格があると思う」と話した。

 入門前から通う食堂「丸忠」。朝乃山は鶏のから揚げ定食か、天丼とざる中華のセットを注文することが多いという。店主の浅野忠法さん(54)は「大関昇進はうれしい。また来たらサービスしなくちゃね」と笑顔。

 ◇採算度外視、のぼり制作

 地元商店街では、祝福ムードを高めようと、のぼりの制作や店内の装飾を進める。商店街を構成する「新栄会」では、昇進確実と報道された23日、新たなのぼりを作ることにした。大漁旗を模し、真っ赤なタイが描かれたのぼりは、28日に商店などに約150枚が配布される予定。デザインした「クレハペイント」の代表、久郷巧さん(54)は、19年夏場所で初優勝した時にも別ののぼりを制作。今回は「出世おめでとう、というみんなの気持ちを表現した」と説明。「横綱になる日もそう遠くないだろうが、正直に言って採算度外視なんですよ」と、次ののぼり制作を見据えてうれしい悲鳴を上げた。

 朝乃山が富山商業高校時代から度々訪れている銭湯「マルトミ鉱泉」では、下足箱の横に「太刀山(呉羽出身)以来」「111年ぶり」などのメッセージを、昇進を伝える新聞とともに飾り付け。店主の中野数雄さん(70)によると、春場所千秋楽の22日には、テレビのある休憩所で10人ほどの客が取組に見入った。「もう始まるのか」と裸で湯船を飛び出し、脱衣所のテレビにかじりつく客もいたという。

 中野さんは「高校生の頃は砂だらけになって指導者と一緒に来ていたが、当時はここまで大きな存在になるとは思っていなかった」と称賛。「また来てほしいけど、目立ちすぎてリラックスできないかなあ」とちょっと寂しそうな顔に。近くに住む常連の堺信男さん(64)は、約40年前に海上自衛隊の自衛官として千葉県にいた頃、同僚から「富山ってどこ?」と聞かれたことを思い出し「今なら朝乃山の出身地だよ、と堂々と答えるのに」と笑った。

 ◇輝く横断幕「おめでとう朝乃山関」

朝乃山の地元、富山市呉羽町の呉羽会館では、呉羽地域連合自治振興会(谷井光昭会長)などが25日、大関昇進を祝う横断幕を設置した。夏場所千秋楽の5月24日まで掲示する予定。

 横断幕は縦90センチ、横5メートルの布に「おめでとう朝乃山関」と大書。地元住民ら約10人が正面玄関に掲示した。谷井会長(81)は「呉羽から立派な大関が誕生し、うれしい限り。全国民が応援していると思うので、期待に応えられるよう相撲界を引っ張る力士になってほしい」と期待した。

 この日は春休み中の地元小学生約25人も駆けつけた。朝乃山の母校、市立呉羽小4年の田仲慧伍さん(10)は先輩に憧れて1年前から相撲を習う。特に朝乃山の右四つがかっこよくて好きといい「26歳で大関なんてすごい。早く横綱になってほしいし、僕も将来は朝乃山関のような力士になりたい」と瞳を輝かせた。【青山郁子】

毎日新聞

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