肺の一部切除からカムバック 榎本が東京五輪代表へ 女子板飛び込み

2021/05/03 16:32 

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 東京オリンピック最終予選を兼ねた飛び込みのワールドカップ(W杯)第3日は3日、五輪会場の東京アクアティクスセンターで行われ、女子板飛び込み準決勝は榎本遼香(はるか)=栃木県スポーツ協会=が291・60点で6位に入り、上位12人による4日の決勝に進んだ。榎本は五輪出場の条件となる準決勝進出をクリアし、初の五輪代表を決めた。

 「この試合ですべてが決まってしまう」。榎本は代表入りが懸かるプレッシャーから、予選では足の震えを抑えるのに必死だった。約5時間後の準決勝では一転、「力を抜いて大きな演技ができた」と165センチの身長を生かした演技で、予選から順位を三つも上げた。

 一時は競技どころではなかった。高校3年生だった2015年3月、ユニバーシアード代表に選ばれた後にメディカルチェックを受けると「肺に腫瘍がある」と告げられた。再検査の結果、腫瘍はピンポン球よりも大きく、「肺がんの疑い」とも診断されてパニックに陥った。

 腫瘍は悪性ではなかったが、手術で肺の一部を切除した。「歩くのもつらく、生きているだけで十分」と思い、本格的に競技に向き合うまでには時間がかかった。だが、16年リオデジャネイロ五輪に出場する日本選手の演技を見るにつれて、少しずつ眠っていた競争心が湧き起こってきた。「自分も五輪の空気感を味わってみたい」と思うようになった。

 24歳で念願の五輪出場を決め、目標としていたW杯決勝にもたどり着いた。五輪本番も見据え、「緊張感をパワーに変えて、ダイナミックな演技をもっとしていきたい」と飛躍を誓う。【村上正】

毎日新聞

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