東京五輪は開催すべき? 47知事に聞くと… 入り交じる期待と不安

2021/05/03 18:51 

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 新型コロナウイルスの影響が懸念される今夏の東京オリンピック・パラリンピックの開催について毎日新聞が全47都道府県知事に行ったアンケートに対して、五輪の競技が行われる埼玉、静岡、山梨を含む9県の知事が「感染状況次第で中止・延期にすべきだ」と回答した。新型コロナウイルスの感染対策に国などが万全を期して開催できるように望む声が上がる一方、第4波の拡大が収まらない中、国の対策への注文や提言も多く寄せられた。開幕まで3カ月を切った大会に対する不安がにじんでいる。

 アンケートでは41知事が開催のメリットを認めるなど大会に向けた期待は大きい。新潟県の花角(はなずみ)英世知事は「各国・地域の参加状況や国内の感染状況などから無観客での開催や中止・延期もあり得る」としつつ、「アスリートにとって4年に1度の晴れ舞台で多くの国民も活躍を楽しみにしている」と回答した。宮崎県の河野俊嗣(しゅんじ)知事も「半世紀ぶりの日本での開催で、アスリートはもとより国民にとってもさまざまな意味で特別なもの」と開催を待ち望んでいる。

 ◇コロナ感染次第では…

 「感染状況次第で中止・延期にすべきだ」と回答した9県知事も開催のメリットを認めつつ、中止・延期すべき状況や国への注文を具体的に挙げた。

 静岡県の川勝平太知事は「各国からアスリートを迎えるに当たっては感染状況を落ち着かせる必要がある。国民が『いつでも、だれでも、何度でも』検査を受けられる体制を構築するよう国に求めたい。そのことが開催国としての責務ではないか」と投げかける。

 山梨県の長崎幸太郎知事は4月に記者会見で述べた発言と同様に「県民の健康状態に極めて大きな深刻な影響を及ぼすような感染状況であるならば開催を延期・中止すべきだ」との考えを示す。沖縄県の玉城デニー知事も「国民、県民の生命を守ることが最優先である」として「東京を中心とした各地に緊急事態宣言が発出されるなどした場合」は中止・延期すべきだとした。

 他に、中止・延期すべき状況について、秋田県の佐竹敬久知事が「全国を対象とした緊急事態宣言が出た場合など」。茨城県の大井川和彦知事が「どのような対策を講じたとしても開催が無理だと誰もが判断する状況」と回答。また、長野県の阿部守一知事は「開催の是非については多くの方が納得できる基準を設けて判断することが必要」と国などに注文を付けた。

 ◇「対策の徹底」求む

 9県以外の知事からも要望や注文が上がった。鹿児島県の塩田康一知事は「感染が地方に拡大することがないよう感染症対策を徹底していただきたい」と懸念を示す。高知県の浜田省司(せいじ)知事は「コロナ禍における(事前合宿の)受け入れにあたって必要となる財政支援をお願いしたい」。石川県の谷本正憲(まさのり)知事は「諸外国と連携し、水際対策をはじめとした感染防止対策を強化すること」を求めた。

 国や東京都のコロナ対策が不十分だとして「五輪を開く資格がない」と批判していた島根県の丸山達也知事は「開催の賛否については回答を控える」とした。

 開催を巡っては、自民党の二階俊博幹事長が4月15日にテレビ番組の収録で「これ以上とても無理だということだったら、これはもうスパッとやめなきゃいけない」と発言。大会組織委員会の橋本聖子会長は同23日の定例記者会見で「(開催の)不安は私にもたくさんある」と述べている。また、楽天グループの三木谷浩史会長兼社長は4月に自身のツイッターで「今年の五輪開催はあまりにリスクが高すぎると思っており反対です。アスリートの方々には本当に申し訳ないけど、一生懸命生きているのはアスリートだけでないので」と投稿した。【関谷俊介、竹内良和】

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