厚き侍の「伏兵」が先頭打者アーチ 野球プレミア12 日本vs台湾

2024/11/23 21:23 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇日本―台湾(23日・東京ドーム)

 直前の試合結果を受けて試合前に決勝進出が決まった「侍ジャパン」。前日と様変わりした打線で、出番に恵まれてこなかった選手が攻撃を引っ張った。

 大事な場面で輝いたのは、2次リーグでは初出場の清宮幸太郎(日本ハム)だ。1点差に迫られた五回2死満塁で打席が巡ってきた。

 1次リーグは11打数2安打で出場機会を失っていた。だが、この日の試合前に東京ドームを訪れたイチローさんから激励を受けた。「めちゃめちゃ頑張れそう。日本代表として恥じないようにしたい」と臨んでいた。

 「みんながめちゃくちゃ良い場面で回してくれ、ワクワクした」。相手の暴投で1点が入り、なおも二、三塁の好機で、6球目を右翼フェンス直撃の2点適時三塁打として代表初打点を記録した。

 もう一人、攻撃に火を付けたのが、1番に抜てきされた村林一輝(楽天)だ。一回、2ボールからの3球目だった。内角低めの変化球を拾い上げると、ライナー性の打球が左翼ポール際へ。そのままスタンド最前列に飛び込む先頭打者本塁打になり、「積極的にいった結果が最高の形になった」と喜んだ。

 プロ入り9年目の今季、初めてシーズンを通してレギュラーを守り、現役の通算本塁打は今季の6本を含めてわずか9本。代表初選出で、先発は18日のドミニカ共和国戦のみだった。「伏兵」の一打に打線は活気づき、一回から4点を奪った。

 決勝は台湾との再戦となるだけに、主力を温存する意図があったかもしれない。だが、結果的に選手層の厚さを示し、好材料がまた一つ増えた。控えも先発も関係ない。牧秀悟(DeNA)が頻繁に口にするように「束」になり、運命の決勝に臨む。【川村咲平】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>