「低さと一体感」強みに 日本がスペインに逆転勝ち ラグビー女子

2025/07/20 00:07 

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 ◇○日本32―19スペイン●(19日・北九州)

 2週間前に男子がウェールズを相手に歴史的勝利を挙げたスタジアムで、今度は女子が完勝劇を見せた。

 試合後、プロップの北野和子は「ずっと準備してきたことが出せたと思う」と言い切った。

 日本代表が準備してきたことの一つとはモールとスクラムの低さ。

 スペインは、身長も体重も日本より上回っているため、体格による真っ向勝負では分が悪い。

 世界的に見ても日本は体が小さく、世界と勝負するため、日本代表がチーム作りの中でこだわってきた部分の一つだった。

 先制トライもその強みが存分に出た。

 相手陣左ゴール前でラインアウトを獲得すると、日本は低いモールを組んでゴール中央付近に迫りながらトライラインへ前進。

 スペインの圧力を確実に退けると、最後はプロップの小牧日菜多がゴール中央左付近へ飛び込んだ。

 後半18分、スペインに逆転を許したが、ここでも苦境を打開したのは日本の強みだった。活躍したのが後半20分から入った谷口琴美。

 「ハーフタイムにモールやスクラムが機能しているという話をチームで共有したのでいけると思った」

 谷口は、ラインアウトでボールを投げ入れる役割も担う。正確なボールから日本は何度もモールを形成。

 するとモールから攻撃を継続して同27分、32分、39分に谷口が立て続けに3トライを挙げた。

 谷口は「バックスも協力してくれてモールが組めて、自分はボールを置いただけ」と謙遜したが、「モールからのトライもうれしかったが、一番はスクラムで反則を取られなかったこと。チームの準備が成果として表れたことの方がうれしい」と笑顔を見せた。

 26日のスペイン戦(東京・秩父宮)の翌日にはワールドカップ(W杯)に臨むメンバーが発表される。

 小牧は「W杯でベスト8に入ること、そこで1番(プロップ)として試合に出ることをずっと意識してきた。だからこのスペイン戦は大切」と強調する。

 勝利の先にある目指すべき景色をつかみにいく。【林大樹】

毎日新聞

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