伯桜鵬が初金星 「恐ろしいくらい強かった」大の里に勝利 大相撲

2025/07/20 21:43 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ◇大相撲名古屋場所8日目(20日・IGアリーナ)

 ◇○伯桜鵬 押し出し 大の里●

 座布団が舞う土俵上で、伯桜鵬は初金星の勝ち名乗りを受けた。手渡された50本以上の懸賞金の束に、「(喜びが)顔に出そうになった」。会心の相撲で、先場所は敗れた大の里に土をつけた。

 立ち合いでかち上げられても、伯桜鵬は体勢を低くして、下がらなかった。ここで横綱の安易な引きの悪癖が顔を出した。

 伯桜鵬は先場所、この引きに屈していたが、「横綱が引いた時にチャンスが来ると思った」。待ってましたとばかりに一気に出て、自ら「理想的」と称する白星を手にした。

 日体大で2年連続アマチュア横綱などの実績を引っ提げて角界入りした大の里。対して、3学年下の伯桜鵬は鳥取城北高で高校横綱に2年連続で輝くなどしてプロ入りした。

 2人は大の里が大学生、伯桜鵬が高校生だった時、鳥取城北高で稽古(けいこ)したことがあった。伯桜鵬は大の里について「恐ろしいくらい強かった」。だが、勝てた相撲も一番だけあったという。

 そしてプロで2度目の対戦を前に、故郷の両親は伯桜鵬へ、大の里に勝った高校時代の動画を送っていた。伯桜鵬は「今日の相撲と似たような相撲だった」。両親はこの日、IGアリーナへ観戦に来ており、「いいところを見せられて良かった」。

 手にした懸賞金は「もちろん両親への恩返しにも使いたい」。21歳の新鋭の顔は自然とほころんだ。【飯山太郎】

毎日新聞

スポーツ

スポーツ一覧>