55歳の大ベテランは縁の下の力持ち パラアイスホッケー・須藤悟
55歳の大ベテランは縁の下の力持ちだ。須藤悟選手(北海道ベアーズ)は、現役選手と日本パラアイスホッケー協会理事を兼ね、競技存続のために奔走してきた。
体を張った氷上のプレーから一転、普段は穏やかな口調で物腰の柔らかさが印象的だ。2002年のソルトレークシティー大会に初出場し、18年平昌大会では日本選手団の主将も務めた。
20歳の時に仕事中の事故で両脚を切断した。生活に慣れ、何かスポーツをしたいと思っていた27歳の頃、1998年長野大会のパラアイスホッケーに出場する選手を取り上げた新聞記事を目にした。
地元の北海道苫小牧市は、アイスホッケーが盛んで自身もなじみがあった。チームに連絡を取り、競技を始めた。
選手としてはDFとしてプレーする一方、日本協会の理事として運営面でもチームを引っ張る。頭を悩ませてきたのが資金不足だ。最近は成績が低迷し、強化費が減った。円安の影響もあって、海外での大会や遠征に掛かる費用の個人負担額が大きくなっていた。
25年9月にカザフスタンで開かれた世界選手権に向け、クラウドファンディングで資金を募った。「全く知らない方からお金をいただくのは抵抗もあった」というが、競技の存続と強化のために協力を呼び掛けると、530万円以上が集まった。
普及への思いは強く、子供たちに競技を教える活動にも取り組む。魅力を伝える際には激しいぶつかり合いはあえてアピールしない。「勝った時はみんなで喜べる。共感できるメンバーがいると強調して伝えている」。安心して挑戦してほしいとの思いがある。
日本は1次リーグで3戦全敗し、5~8位の順位決定戦に回った。10年バンクーバー大会での銀メダルも経験した須藤選手は「目標は平常心」。大舞台でもどっしりと構え、チームを支える。【コルティナダンペッツォ下河辺果歩】
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