ボーナス 若手は上昇、中高年は下降 ベテラン軽視にはリスクも
ボーナスの平均支給額は、若手で増加した一方、中高年では減少と二分した。転職サービス「doda(デューダ)」が2023年9月から1年間に支給されたボーナス額をまとめた調査で、こんな実態が明らかになった。どうして二分したのだろうか。
ボーナスの年間平均支給額は106万7000円。前回の23年調査から4000円減と金額はほぼ同水準だった。
ただ年代別にみると、20代は3万9000円増の74万8000円、30代は1万円増の100万3000円と若手の増加が目立った。
一方、40代は1万1000円減の110万9000円、50代は5万6000円減の123万9000円と中高年では減少となった。
ボーナスの使い道について尋ねると(複数回答)、全体のトップは「旅行・レジャー」で37・8%、次いで「生活費の補塡(ほてん)」が31・6%、「趣味・娯楽」(28・3%)と続いた。前年と比べ「旅行・レジャー」がやや減り、すべての年代で「生活費の補塡」「金融商品(投資・資産運用)」(16・8%)が上昇した。ボーナスの半分以上を貯金に回すという人も全体の4割を占め、生活のやりくりや備えに費やすといった傾向がみえた。
ボーナスの世代別支給状況をみると、人材確保のため、企業は優先的に若手の支給額を上げている。
調査をしたデューダの編集長、桜井貴史さんは中高年を軽んじる動きに警鐘を鳴らす。モチベーション低下は、若手社員の指導や育成に悪影響を及ぼしかねないからだ。40代以上の転職も増えており、人脈やノウハウを失うリスクもあるという。桜井さんは、強固な組織をつくるため「ベテランも適切に評価、処遇することが必要」と助言している。
調査は8月にインターネットで実施し、20~50代の働く男女1万5000人の回答を集計した。【嶋田夕子】
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