三宅唱監督『旅と日々』釜山国際映画祭公式上映 シム・ウンギョン「私の物語のよう」

「第30回釜山国際映画祭」コンペティション部門に選出された映画『旅と日々』三宅唱監督、シム・ウンギョン、高田万作

【画像】上映後のQ&Aに登壇したシム・ウンギョン
釜山国際映画祭は1996年に創設。毎年200本以上の作品が上映され、昨年は約14万人が来場するなど、アジア最大規模の映画祭として世界的な注目を集めている。今年は30回目の節目を迎え、グランプリなどを選出するコンペティション部門が新設された。グランプリ、監督賞、審査員特別賞、主演男優/女優賞、芸術的貢献賞が与えられるとともに、グランプリ受賞作は映画祭のクロージング作品として上映される。
『旅と日々』は、つげ義春の漫画『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を三宅監督が再構成し、現代的にアップデートしたロードムービー。行き詰まった脚本家が旅先での出会いを通じて一歩を踏み出す姿を描く。
公式上映前の舞台あいさつで三宅監督は「今朝、上映テストをしたときに、映画って生きているんだなと感じました。映画を観ていると、生きているという実感を得られる気がします。そうやって、全身でこの映画を観て感じていただければと思います」とコメント。
シム・ウンギョンは「初めてこの映画を観た皆さんがどのように感じたのか、聞きたい気持ちでいっぱいです」と期待を寄せ、高田は「大好きなお二人とこんな貴重な場に立つことができてとても光栄」と語った。
上映後のQ&Aでは「たくさん笑えて幸せな気分になった」という観客の声に、三宅監督は「自分が初めて映画を作ったときの気持ち、あるいは初めて映画館で映画を観たときの気持ち、そういう驚きを皆さんに感じてもらいたいと思ってこの作品をつくりました。それが、劇中劇という構造にするアイデアに結びつきました。この映画は旅についての映画ですが、映画そのものについての映画です。映画が何か、という答えはたぶん誰にもわかりませんが、不思議な現実だなという驚きを感じることが、僕はとても面白いと思っています」と語り、劇中劇の構造に込めた意図を説明。
続いてシム・ウンギョン演じる李、堤真一演じるべん造の掛け合いの演出について聞かれると、「原作であるつげ義春さんの漫画がベースにあり、漫画のとおりのせりふもあれば、僕が少し加えたものもありますが、原作自体に、悲しみもありながら、軽やかな笑いもあるんです。それを映画で演じるのはとても難しいんじゃないかと心配していましたが、シム・ウンギョンさんと堤真一さんの2人が、丁寧に、真剣に演じてくださったからこそ、軽やかになったのだと思うんです。2人は別に笑いを取ろうなんて思っていません。役として、本当に人生について考えている。その姿に、僕も愛着があるし、チャーミングだなと思っています。今日、皆さんもそれを感じてくれたんだなと思って、もっと2人の会話を書けばよかったなと思ったぐらいです」と原作の持つ力、さらに俳優の存在について語った。
監督の演出について問われると高田からは「監督に、劇中映画の登場人物だということを意識してお芝居をしたほうがいいのか、と伺ったときに、そこはよく考えなくてもいい、とにかく、万作君らしく芝居をしてくれれば、とおっしゃっていただき、すごく自然に、自分らしく臨むことが出来ました」と、オーディションで本作に抜てきされた際のエピソードを明かした。
さらにシム・ウンギョンが本作への想いを「ここ数年間いただいた台本の中で、この映画の台本が一番好きでした。というのも、この物語自体が私の物語のように感じられたからです。誰もが、李のような状況になったことがあると思います。この映画を見ながら、スクリーンの中に入って、自分自身を見つけるための旅を一緒にできればいいな、と思っています。この映画は、私にとって運命のようで、もし、私がいつか自伝を書くとしたら、まさにこの映画のとおりになるだろうと思うくらい、とても親しみを感じました。そして、これはみんなの物語でもあると思います」と語った。
最後には、監督からは「何回見ても楽しめる作品だと思います。ぜひ、また観てもらえたらうれしいです」、シム・ウンギョンからは「たくさんの方に一緒に旅に出ていただけたことを本当に感謝しています」、高田からは「とにかくたくさんの人に見てほしいです。この映画は観れば観るほど魅力が増していくし、不器用で純粋な登場人物たちに、必ず心を奪われるのではないかと思います」と呼びかけ、観客の歓声に包まれながらイベントは和やかに幕を閉じた。
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