【きょう発表】オードリー若林正恭、初小説で直木賞候補の快挙 『青天』に高まる受賞期待
若林正恭 (C)ORICON NewS inc.

【写真】200人と!サイン本お渡し会を行った若林正恭
若林の作品が候補となった「直木賞」は、広く読者に支持される「大衆文学」の中から優れたエンターテインメント作品に贈られる。一方で、もう一つの文学賞である「芥川賞」は、純文学を対象に新人作家の登竜門としての性格が強い。両賞は1年に2回、同時期に発表されるため違いがわかりにくく混同されがちだが、求められる資質は異なる。
芥川賞は人間性や心の機微などを深く追求し、芸術性や純粋な文学性の高い作品を重視する。また、候補作は文芸誌に掲載された作品から選ばれる。それに対し、直木賞は物語性や読者への訴求力を問い、単行本として出版された作品が対象となる。その意味で、直木賞は作品の完成度に加えて、広く読者に届く「読まれる力」も問われると言えるだろう。
直木賞の過去の受賞者には、日本のエンターテインメント小説界を牽引する作家の顔ぶれが並んでいる。第120回(1999年上期)では宮部みゆき氏の『理由』が受賞。第134回(2005年下期)では東野圭吾氏の『容疑者Xの献身』、第145回(2011年上期)では池井戸潤氏の『下町ロケット』など、枚挙にいとまがない。若林と親交のある朝井リョウ氏も第148回(2012年下期)に『何者』で、西加奈子氏も第152回(2014年下期)に『サラバ!』で受賞している。
さらにさかのぼると、司馬遼太郎氏や渡辺淳一氏、野坂昭如氏、伊集院静氏、浅田次郎氏など、日本の文学史に大きな足跡を残してきた国民的作家も受賞してきた。ジャンルを問わず映像化され大ヒットしていることも多く、直木賞は単なる文学賞ではなく、その時代の読者に広く届いた物語として、後世に語り継がれることもある。
過去には、NEWSの加藤シゲアキや、SEKAI NO OWARIのSaori(藤崎彩織)、さらに放送作家やエッセイストとして活躍してきた人物が候補に名を連ねてきた例はある。しかし、それらの多くは長年にわたり文章表現の世界で実績を積み重ねてきた後の到達点だった。そうした文脈を踏まえると、若林のように「初小説」で候補入りするケースは、快挙と言っても過言ではない。
若林は、キューバへの旅行体験をまとめた紀行『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』が、現地での独自の視点や、自身の内面を赤裸々に綴ったリアルな描写が高く評価され、優れた旅行文学や紀行文を顕彰する「第3回斎藤茂太賞」(2018年)を受賞した。その卓越した表現力は『青天』でも存分に発揮されており、初候補で栄冠を手にするのか、期待が高まる。
発表はきょう15日夕方ごろの予定。
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