東京大空襲の証言映像を上映 「悲惨さ訴えたい」 7日、東京・墨田

2025/12/01 07:45 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 東京大空襲をはじめとした太平洋戦争の戦禍による苦しみや悲しみを多くの人に伝えようと、東京都墨田区の市民団体「スミダSGEP」が体験者の証言をまとめた記録映像「戦争の記憶の一片(かけら)を集めて」の上映会が7日、「すみだ生涯学習センター」(墨田区東向島2)で開かれる。

 製作の中心となった同団体の多田井利房代表(81)は、墨田区で生まれ、疎開を経て同区で生活してきた。約10年前、「大きな被害が出た地域に住み続ける者として(戦争を)語り継ぎたい」と思い立った。区内の体験者にインタビューを申し込み、家庭用のビデオカメラで記録し始め、2015年に1作目の記録映像を製作した。

 その後も撮影を続け、1924~39年生まれの16人の体験談を約100分にまとめた2作目の「戦争の記憶の~」を2020年に完成させた。

 「言問橋に行ったら、(足の)踏み場がないくらい死体がいっぱいだった。お母さんが子どもを抱いたまま真っ黒になっていた」(男性・1928年生まれ)、「たまに配給があるが、本当に何もない。イモや学校にあった焼け残りの缶詰を近所の人と食べた」(男性・32年生まれ)などの経験が語られている。

 トークイベントもあり、多田井さんも登壇予定。多田井さんは「戦後80年の節目に、改めて生の証言で戦争の悲惨さを伝える機会になれば」と話す。

 定員200人で入場無料。申し込み・問い合わせは同センター(03・5247・2010)。【柳澤一男】

毎日新聞

社会

社会一覧>