地域資源生かした体験ツアー開催へ 秋田・能代の旅行会社がCF

2026/08/30 14:15 

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 秋田県能代市の旅行会社「ねこの手能代」が、今秋の活動拠点施設の開設に向け、クラウドファンディング(CF)に挑戦している。同社代表で元同市職員の加賀谷さくらさん(48)は、施設整備を機に、地域資源を生かした体験ツアーに力を入れようと、夢を膨らませている。

 「能代と言えば、木材のまちとして栄え、能代工業高(現・能代科学技術高)バスケットボール部が58回全国制覇し、『バスケットボールの街』というイメージが広く定着している」。市職員時代に広報、観光、移住支援を担当する部署にも勤務した加賀谷さんは、そう評価する。

 一方で、こうも指摘する。「全国的に知られる観光地や施設がない。来訪者が楽しめるツアーやイベントの体験メニューを増やす必要がある」

 加賀谷さんは市職員だった2024年に国家資格の「地域限定旅行業務取扱管理者」の資格を取得し、翌25年3月に28年間勤務した市役所を早期退職した。加賀谷さんは猫好きで、翌4月に「ねこの手も借りたい」ということわざから、「誰かのねこの手になれれば」と、「ねこの手能代」を社名に起業。愛猫を「ねこ副社長」として情報発信の際に登場させている。

 これまでの主な拠点は自宅で、新たな施設で事業を本格化させる。市中心部の柳町商店街に取得した3階建ての空き店舗を改修。「旅と暮らしの交差点」をコンセプトに、10月10日から11月にかけて順次開設を目指す。新拠点の整備のため、オリジナルの限定グッズや体験チケットなどを返礼品に、CFで9月25日までに200万円を集めようとしている。

 ◇「民間ならではの発想で」

 これを足がかりに取り組もうとしているのが首都圏からの集客。タッグを組むのは、観光コンサルティング会社「成田空港リトリート」(千葉県多古町)代表の斉藤常治さん(64)だ。

 鉄道ファンとして知られる斉藤さんは23年6月まで3年間、地域おこし協力隊として能代市に赴任。JR五能線や「リゾートしらかみ」を活用した体験メニュー作りや、オンラインツアー作りのノウハウを市内の観光関係者に伝授した実績を持つ。

 その後は、地元の千葉県に戻り、成田空港などで体験ツアーを運営し、ガイドの育成やオンライン講座など手掛けてきた。こうしたノウハウを加賀谷さんに授けて能代でも体験ツアーを活発化させるとともに、自身が手がける成田空港のツアー参加者らにも、能代で体験できることをPRする考えだ。

 加賀谷さんは「民間ならではの発想で地域に外部から人を呼び込む具体的な仕掛け作りを担っていきたい」と話す。斉藤さんも「せっかく能代に来たのだから、もう少し街を歩いてみたいと思ってもらえるような取り組みをしていきたい」と意気込んでいる。【田村彦志】

毎日新聞

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