被災地から移動12時間超 夏の甲子園応援に駆けつけた選手家族

2026/08/07 15:00 

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 第108回全国高校野球選手権大会で6日、初戦に臨んだ鹿児島代表の神村学園は東筑(福岡)との九州勢対決を制した。選手の中には、7月末に最大震度7の地震があった熊本県の出身者もいる。余震が続く中、家族が応援に駆けつけた。

 二塁手として出場した今井滉士郎選手(3年)は、震度5弱の揺れがあったあさぎり町に家族が暮らす。

 自宅は大きな被害はなかったが、地震の影響で高速道路は一部区間が通行止めになっている。

 次兄の楓雅(ふうが)さん(20)は脳性まひがあり車椅子で生活していることもあって、甲子園までの道中に不安はあった。それでも父慎也さん(46)と母悦子さん(48)は、甲子園に向かうことにした。

 今井選手の「最後の夏」を楓雅さんに見せたい――。熊本を5日昼過ぎに出発し、2人で交代で運転しながら12時間以上かけてやってきた。楓雅さんの体調に配慮して、トイレや水分補給のための休憩もこまめに挟んだ。

 ようやく着いた三塁側アルプススタンド。

 強い日差しが照りつける中、楓雅さんは両親にうちわであおいでもらったり、首を氷で冷やしてもらったりしながら、初めての甲子園の熱気を全身に浴びて笑顔を見せた。

 今井選手は「謙虚な気持ちでプレーする姿が見せられた」と胸を張った。悦子さんは「楓雅に試合を見せるという夢がかなって感無量です」と安堵(あんど)した。

 今井選手にとって、楓雅さんは「とにかく笑顔のすてきなお兄ちゃん」。雰囲気を和ませてくれる存在だ。

 高校進学で寮に入り、離れて暮らすようになったが、帰宅した時には車椅子の乗り降りなどを積極的に手伝う。

 楓雅さんの体調を考えると次戦の応援に来ることは難しい。「決勝までいったら、また見にきてほしい」と願う今井選手。兄に雄姿を見せるためにも、地震で大きな被害を受けた地元熊本にはつらつとプレーする姿を届けるためにも、まだまだ負けるわけにはいかない。【山口響】

毎日新聞

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