米航空機大手ボーイング、社員の10%を解雇 スト長期化で経営悪化

2024/10/12 10:23 

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 米航空機大手ボーイングは11日、業績不振を受け全社員(約17万人)の10%に当たる約1万7000人を今後数カ月で解雇する計画を明らかにした。ストライキの影響で製造工場の稼働停止が長期化し、損失が膨らんでいた。経営立て直しに向け大規模なリストラに踏み切る。

 ケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)が全社員に向けて解雇計画に関するメッセージを送った。幹部社員も解雇対象とする。オルトバーグ氏は「ビジネスの現状を踏まえ将来の回復を目指すには厳しい決断が必要だ」と述べた。

 ボーイングでは9月中旬、従業員が賃上げなど待遇改善を求め2008年以来となるストに踏み切った。機体生産のストップで既に約10億ドル(約1500億円)の損失が発生しているとみられ、ムーディーズなど米大手格付け会社は同社の信用格付けを投資不適格級に引き下げる可能性があると表明している。

 ボーイングでは1月に米アラスカ航空が運航するボーイング737の機体の一部が飛行中に吹き飛ぶ事故が発生。安全性への信頼が揺らいだことの責任をとって前CEOが退任し、オルトバーグ氏が8月に経営トップを引き継いでいた。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

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