トランプ氏、海外映画に100%関税方針 「米国で製作された映画を」

2025/05/05 11:13 

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 トランプ米大統領は4日、米国外で製作された映画作品に対し100%の関税を課す考えを表明した。他国が優遇策を講じていることにより、ハリウッドなど米映画産業が壊滅的な打撃を受けていると主張している。エンターテインメント分野にまで保護主義を徹底し、外国作品を締め出す考え。

 トランプ氏は自らが運営する交流サイト(SNS)に「米国の映画産業が急速に死につつある。他国は映画製作者を米国から引き離すため、あらゆる優遇策を提供しており、ハリウッドなど米国内の多くの地域が壊滅的な打撃を受けている」と投稿。現状を「国家安全保障上の脅威」と位置づけた。「脅威」は各国による協調的な努力によってもたらされていると指摘しているが、具体的に何を指しているのかは不明。

 そのうえで「私は商務省と米通商代表部(USTR)に対し、海外で生産され我が国に輸入されるあらゆる映画作品に、100%の関税を課す手続きを直ちに開始する権限を与える。私たちは、米国で製作された映画を欲している!」と加えた。

 米国では宮崎駿監督の手掛ける「スタジオジブリ」作品など、日本映画も人気。トランプ氏が映画関税を発動すれば、これらの外国作品に米国人が触れる機会も制限することになる。

 トランプ氏は米国の外国に対する貿易赤字を問題視しているが、基本的に自動車や農産物など「モノ」の貿易に焦点が当てられていた。映画はモノとは別の「サービス」分野の貿易に含まれ、グーグルやアップルなど世界を席巻するIT企業を抱える米国は、サービス分野で多くの国に対し貿易黒字になっている。【ニューヨーク大久保渉】

毎日新聞

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