米イスラエル攻撃1カ月なお収束めど立たず イランで1937人死亡

2026/03/27 18:41 

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 米国・イスラエルがイランに先制攻撃を行ってから28日で1カ月となる。イランの反撃により戦火は周辺の湾岸諸国にも広がる。収束のめどは立たず、被害は拡大の一途をたどっている。

 中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、イランではこれまでに1937人が死亡し、2万4800人が負傷した。

 米軍やイスラエル軍は、体制転換を視野に精鋭軍事組織・革命防衛隊や治安組織などを攻撃していると説明しているが、民間人の被害も確認されている。戦闘開始日にはイラン南部ミナブで小学校が空爆され、170人以上が死亡しており、米軍による「誤爆」の疑いが高まっている。

 イランは報復として、湾岸アラブ諸国のエネルギー施設や民間施設などを攻撃した。国別で確認されている死者は、アラブ首長国連邦(UAE)11人▽クウェート6人▽オマーン3人▽バーレーン3人▽サウジアラビア2人――となっている。

 一方、戦闘はイスラエル軍と、イランから支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの交戦にも発展した。レバノンでは空爆や地上攻撃で1094人が死亡し、レバノン南部を中心に100万人以上が避難を強いられ、人道危機が懸念されている。

 イスラエル国内でもイランやヒズボラからのミサイル攻撃で19人が死亡し、5000人以上が負傷した。パレスチナでもイランからのミサイルが着弾し、4人が死亡した。

 米軍側にも被害が出ている。クウェートにある米軍施設やサウジアラビアでの攻撃で米兵7人が死亡した。またイランへの軍事作戦に従事していた空軍のKC135空中給油機1機がイラクで墜落し、搭乗員6人が犠牲になった。米国防総省は10日、米兵の負傷者が約140人に上ったと明らかにした。もし米国が地上部隊の派遣に踏み切れば、死傷者はさらに増える可能性がある。

 ◇エネルギー施設が標的に

 戦闘では、湾岸アラブ諸国を中心に石油関連施設にも被害が広がった。サウジアラビアでは紅海に面するヤンブーの製油所などが攻撃され、UAEでは東部フジャイラの石油積載施設などがイランの標的になっている。いずれも封鎖が続くホルムズ海峡の代替ルートや海峡の外側にあり、エネルギー供給を滞らせるためにイランが戦略的に狙っているとみられる。

 さらに攻撃はガス関連施設にも及んでいる。イスラエルは18日、イラン南部の世界最大のガス田の一つ「南パルス」を攻撃。この報復として、イランはカタール北部の世界最大級の液化天然ガス(LNG)生産拠点ラスラファンの工業地帯を攻撃した。

 カタールは世界のLNG輸出の2割を占めるが、攻撃により輸出能力の17%を失ったともいわれる。世界のエネルギー供給が脅かされる事態となっている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

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