新内閣発足、9日に解散方針 石破氏、衆院選へ「全身全霊を尽くす」

2024/10/01 21:21 

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 第214臨時国会が1日召集され、自民党の石破茂総裁が衆参本会議の首相指名選挙で、第102代首相に選出された。皇居での首相任命式と閣僚認証式を経て、公明党との連立による石破内閣が発足した。石破氏は1日夜、首相官邸で記者会見し、「15日公示、27日投開票」の衆院選実施に向け、9日に衆院を解散すると表明した。

 石破氏は会見で「私が大切にしてきたのは、国民の皆様方の納得と共感だ。国民の皆様に勇気と真心を持って真実を語るのが政治の役割だと40年近く信じてきた。謙虚で誠実で、温かい政治を行っていく」と述べ、「この内閣は『納得と共感内閣』だ」と命名した。

 併せて「この内閣での基本方針は『守る』だ」と説明。守る対象として①ルール②日本③国民④地方⑤若者と女性の機会――の五つを挙げた。派閥の裏金事件を念頭に「ルールを守る政治であらねばならない」とし、「令和の政治改革を断行する」とした。事件の再調査は新事実が明らかにならない限り不要だとした。

 衆院解散については「内閣を信任いただけるか、他の選択があるか、主権者たる国民に問うのが大義だ」と語った。

 石破氏は衆院本会議に先立つ党代議士会で、次期衆院選に向け「全員が当選できるよう全身全霊を尽くす」と述べた。野党は、与党が提示した9日までの会期案に反発。衆院本会議の開会が遅れ、野党による会期への反対討論も行われたが、与党側の賛成多数で会期は9日までと決まった。

 衆参で首相指名選挙が行われ、石破氏が両院で過半数を得た。衆院(投票総数461票)では、石破氏291票▽立憲民主党の野田佳彦氏100票▽日本維新の会の馬場伸幸氏45票▽共産党の田村智子氏10票▽国民民主党の玉木雄一郎氏7票▽無所属の吉良州司氏5票▽れいわ新選組の山本太郎氏3票。参院(投票総数242票)では、石破氏143票▽野田氏45票▽馬場氏21票▽玉木氏12票▽田村氏11票▽山本氏5票▽国民民主の伊藤孝恵氏1票▽無所属の伊波洋一氏1票▽参政党の神谷宗幣氏1票▽自民の高市早苗氏1票▽自民の茂木敏充氏1票――だった。高市氏と茂木氏への1票は、参院会派「NHKから国民を守る党」の2人が1票ずつ投じた。

 石破氏はその後、首相官邸で公明の石井啓一代表と党首会談を行い組閣本部を設置。石井氏は次期衆院選の勝敗ラインについて「自公で過半数」だと官邸で記者団に言及した。

 組閣では石破氏が総裁選で訴えた「防災庁」設置の準備担当を、自身の側近でもある赤沢亮正経済再生担当相に兼務させた。【樋口淳也、内田帆ノ佳、野間口陽】

毎日新聞

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