石破首相、厳戒警備で愛知入り 金属探知機、カバンチェックも
自民党総裁の石破茂首相が22日、衆院選の党公認候補者らの応援で愛知県を訪れた。厳戒態勢の中、県内各地の街頭などで支持を呼びかけた。
名古屋市中区の広場では、市内5小選挙区の公認候補5人が勢ぞろいする中、石破首相が午後5時40分から20分間、演説。「モノづくりのまち愛知、名古屋から新しい経済を作らないといけない」と主張し、「本当に逆風の中で5人が戦っている」と訴えた。9月14日に同じ場所であった党総裁選の候補者演説会では聴衆が埋め尽くしたが、この日は半分ほどだった。
岡崎市では、裏金事件で比例代表との重複立候補が認められなかった12区の前職を応援。「公認しない人もいっぱいいるし、小選挙区単独で背水の陣で臨んでいる候補者も大勢いる」と自らの措置を説明し、「このようなことが二度と起こらないように、緩み、おごりを排し、心新たにこの選挙に臨んで参る」と誓った。
小牧市では、「与党統一候補」として16区から立候補した公明党新人の横に立ち、「自公は強い絆のもとに、強い信頼のもとにやってきた。当選までまだ足りない。どうか力を貸してください」と声を張り上げた。
◇厳戒態勢でも「触れあいないと」
「手荷物検査はこちらです。金属探知機もお願いします」。午後3時前、愛知県小牧市にある名鉄小牧駅そばの広場には長い列ができていた。陣営スタッフはカバンの中身をチェックし、金属探知機をかざした後、黄色のシールを衣服に貼って入場を促した。
今回の衆院選は2022年に安倍晋三元首相が銃撃された事件後、初めてとなる全国規模の総選挙。要人警護のための規則が見直され、都道府県警が作成した警護計画を警察庁が事前審査する運用となった。
小牧駅近くの広場でも、集まった約2700人の聴衆は柵の内側でひしめき合って演説を聞いていた。要警護者までは数十メートルの距離が保たれ、会場近くの立体駐車場には複数の警察官が配置された。
ただ、演説終了後は石破首相が柵の内側に入り、聴衆とハイタッチしたり、写真を撮ったりする様子も。陣営関係者は「もちろん何かあってはいけないがやはり接触がないと。写真がSNS(ネット交流サービス)で拡散されれば支持も伸びるはずだ」と話した。【荒川基従、永海俊、加藤沙波、田中理知】
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