陸自佐賀駐屯地、開設式典に地元議員ら オスプレイに抗議の市民も

2025/09/07 19:56 

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 陸上自衛隊佐賀駐屯地(佐賀市)で7日開かれた開設記念式典。地元選出の国会議員や首長、地方議員のほか、地元の漁協関係者など約150人が招待された。招待客向けには輸送機V22オスプレイの体験搭乗も実施されるなど、地元の理解を求めたい陸自側の意図も垣間見えた。

 佐賀へのオスプレイ配備は、台湾有事などを念頭に南西諸島の防衛力を強化する「南西シフト」の一環。相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県佐世保市)などに所在する「水陸機動団」の輸送などを担う。

 この日の式典は、オスプレイの整備などが行われる格納庫で実施された。回転翼がたたまれるなど、さまざまな形態にされたオスプレイ5機に囲まれる形で会場が設営された。

 坂井英隆佐賀市長はあいさつで、地元の校区や有明海の清掃活動に駐屯地の隊員が参加したことを引き合いに「地域に溶け込み、佐賀の一員になろうとする強い思いを感じた。佐賀を好きになってもらい、共に佐賀を支える存在になってもらいたい」と求めた。

 式典後には、招待客を対象にしたオスプレイの体験搭乗もあった。招待客が乗ったオスプレイは、駐屯地に隣接する佐賀空港の滑走路から次々と垂直方向に離陸し、有明海上空を約10分間飛行した。

 体験搭乗には、中谷元防衛相も参加。陸自のオスプレイに乗るのは初めてという中谷氏は、機体の後部から有明海や空港周辺の様子を見ながら、同乗した青山佳史・佐賀駐屯地司令の説明を受けた。

 搭乗後、駐屯地で記者会見した中谷氏は「非常に安定性があり、意外と静かだった」と感想を述べた。その上で「非常に能力が高くスピードの速い機体なので、災害対応などでも役に立てる。佐賀を愛し、佐賀に愛される部隊になることを期待している」と述べた。

 一方、駐屯地前では市民ら約40人が集まり、オスプレイの配備に抗議し声を上げた。【成松秋穂、西貴晴】

毎日新聞

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