林芳正氏、政策の継承強調 外交での実務経験アピール 自民総裁選

2025/09/19 06:30 

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 自民党の林芳正官房長官は18日、党総裁選への立候補を表明した記者会見で、岸田文雄、石破茂両政権で官房長官を務めた経験を生かし、政策を継承していく考えを強調した。外交や安全保障に関する質問には時間をかけて丁寧に答え、実務経験が豊富な「外交の林」をアピールした格好だ。

 「トランプ米大統領は、最終的には自分で決めるということを非常に強く持っている印象だ。最も大事な同盟国がどういう意思決定をしていくのかは、大きな教訓だった」

 林氏は官房長官として日米関税交渉などに関わった経験を新政権にどう生かすかを問われると、トランプ氏の印象をこう語った。

 昨年11月の大統領選でトランプ氏が勝利した直後から、首相官邸に各省庁幹部を集めて情報収集を徹底してきたと明かし、「何が起こりえるのか」を想定しながら対応策を準備してきたことへの自負をにじませた。

 繰り返し訪米し、直接の交渉に当たったのは赤沢亮正経済再生担当相だったが、「バックオフィスでずっと一緒に案を作ってきた」とも語り、今後の交渉にも自信を示した。

 一方、今回の総裁選での大きな争点については踏み込み不足も目立った。野党との連携のあり方については「総裁選で議論すべきは我々の政策や立ち位置だ」として具体的な言及を避けた。当面の物価高対策も、参院選で自民が公約に掲げた1人2万~4万円の現金給付を「ベース」としながら、少数与党として「臨機応変に対応する」と述べるにとどめた。【鈴木悟】

毎日新聞

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