「戦おうとしても弾がなく」 ビルマの戦場体験、平和訴える 滋賀
太平洋戦争の学徒動員でビルマ(現ミャンマー)戦線に従軍し、死と隣り合わせの日々を送った山本栄策さん(103)=滋賀県草津市=が29日、大津市中央3の福賢寺で戦争体験を語った。山本さんは「戦おうとしても弾がなかった」と凄惨(せいさん)だった戦場を振り返り、「命は自然の授かり物。命の大切さを知る必要がある」と人命を奪う争いがなくなるよう訴えた。
逢坂・中央学区九条の会が開催。集まった約50人が熱心に耳を傾けていた。
大津市出身の山本さんは、東京農業大の学生だった1942年9月に学徒動員で旧陸軍に召集され、44年6月にビルマとの国境に近い中国雲南省の竜陵に守備隊として配属された。味方の陣地が次々と全滅していき、山本さんのいる陣地が攻撃対象となる日が来た。ところが「隊長に弾をください、と言うと、『ない』と言うんです」。その上官は玉砕覚悟の通信を行ったが、撤退命令が下った。敵の銃火の中を後退中に崖から転落したことが幸いして生き延びた。
その後も戦場を転々とし、ビルマのモンミットで銃弾を受けて右アキレスけんを負傷。塗り薬もなく固定しただけだった。多くの日本兵が犠牲になったシッタン作戦にも加わった。戦闘機の銃撃を受け、その傷で変形した右足は戻らず、今も体のあちこちには砲弾の破片が残ったままだ。山本さんは「平和と命の大切さ、人が生きる意味を考えてほしい」と語りかけた。
約1時間半の話を聞いた大津市の女性(65)は「命を大事にしたいと改めて思った。軍備予算が増えて『新しい戦前』という言葉も聞く。一日も早く世界の争いがなくなってほしい」と願った。【吉見裕都】
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