兵庫県たつの市の路上で１８年前、女児を刃物で襲って重傷を負わせたとして、兵庫県警は７日、別の女児殺害事件で無期懲役が確定して服役していた勝田州彦（くにひこ）容疑者（４５）を殺人未遂の疑いで逮捕した。容疑者はこの１年後、兵庫県加古川市で女児が殺害された事件への関与を示唆する供述をしており、県警は連続女児殺傷事件とみて慎重に捜査を進める方針だ。

　県警捜査１課によると、勝田容疑者は「女の子を刃物で刺したことに間違いない。（女児に）申し訳ないと思っています」と供述。一方で「殺すつもりではありませんでした」と殺意を否認しているという。

　逮捕容疑は２００６年９月２８日午後６時２０分ごろ、たつの市の学習塾前の路上で、９歳だった小学４年の女児の胸と腹を複数回刃物で刺し、全治２カ月の重傷を負わせたとしている。

　勝田容疑者は０４年９月、岡山県津山市で小学３年の女児（当時９歳）の胸や腹を刃物で突き刺して殺害したとして、２３年９月に無期懲役が確定していた。

　県警は岡山の事件と手口が似ていることから、今年５月末から勝田容疑者への任意聴取を開始。容疑者は当初は関与を否定したが、後に認める供述を始めた。裏付けを進めた結果、現場や女児の傷の状況などが容疑者の説明と整合することが判明した。

　現場近くの防犯カメラにはリュックサックを背負い、身長１７０センチほどの人物が立ち去る姿が映っていたことが分かっている。県警は体格などが勝田容疑者と矛盾しないことも踏まえ、関与した疑いが強まったと判断した。

　容疑者は当時、２７歳で警備員だった。加古川市に住んでおり、近くのたつの市の土地勘があった可能性がある。県警は女児と面識がなかったとみており、動機を詳しく調べる。

　捜査関係者によると、勝田容疑者は加古川市で０７年１０月、小学２年の鵜瀬（うのせ）柚希（ゆずき）さん（当時７歳）が自宅付近で殺害された事件についても、任意聴取で関与を認める供述をしていることが明らかになっている。【柴山雄太、木山友里亜】