「いろんな才能出てきて」 今村翔吾さん、日本ドラフト文学賞を創設
直木賞作家の今村翔吾さんは20日、新たな才能を発掘する「日本ドラフト文学賞」を創設すると発表した。複数の出版社によるドラフト制度で、プロの作家の輩出を目指す。
今村さんは、佐賀に移住した作家の故・笹沢左保さんを中心に創設された地方文学賞「九州さが大衆文学賞」大賞を受賞したことを機に、作家デビューした。だが、同賞は2017年に終了。思い入れのある同賞を継承した文学賞を作ろうと、今村さんが総合プロデューサーに就任し、「日本ドラフト文学賞」を立ち上げることになった。
一般的な文学賞では作家が選考委員を務めるが、「日本ドラフト文学賞」は選考委員を置かず、出版社やメディア関係社がデビューさせたいと思う応募者をドラフト形式で指名し、抽選する。「即戦力」と判断され、指名を受ければデビューが決まる。「育成枠」となった場合は、編集者の指導を受けながら作品の出版を目指す。
主催は、今村さんが代表理事を務める一般社団法人ホンミライと佐賀新聞社。作品は25年4月30日まで受け付ける。日本語による長編エンタメ小説であれば、他の文学賞に応募した作品でも応募可能。ドラフト形式による最終選考は25年9月に佐賀新聞社本社(佐賀市)で行われ、選考の様子は後日ホンミライの公式YouTubeで動画配信する予定。詳細は「日本ドラフト文学賞」のホームページで確認できる。
今村さんは「活字離れ、出版不況と言われている中で、いろんな才能が出てきてほしい」と意気込みを語る。【松原由佳】
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