陸自、「富士総合火力演習」を実施 国内最大級の実弾射撃訓練

2025/06/08 15:37 

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 陸上自衛隊は8日、国内最大級の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」を静岡県の東富士演習場で行った。活発化する中国の海洋進出を念頭に島しょ部へ侵攻する敵を迎撃する想定で、約2000人が参加。離島防衛を専門的に担う水陸機動団が、輸送機V22オスプレイで上空から地上に展開するなどした。

 火力戦闘の実相を教育する場として毎年実施。陸自によると、今回はより迫力とスピード感ある構成を目指したという。2年ぶりにインターネットでライブ配信した。

 弾薬は前年を上回る約76・6トン(約8億7000万円相当)を使用し、戦車・装甲車約50両や火砲約60門などが富士山の裾野に向けて射撃を繰り返した。

 また、有事の際に敵のミサイル発射拠点をたたく長射程ミサイルについて、開発中の一部構成品を初めて公開。反撃能力(敵基地攻撃能力)の強化を国内外にPRする狙いとみられる。

 かつて人気を誇った一般公開は2023年度から取りやめているが、自衛隊員の採用が厳しい状況を踏まえ、志願者や保護者などの招待枠を年々増やしている。【松浦吉剛】

毎日新聞

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