防衛省、女性自衛官の配置制限を全て撤廃 活躍推進の計画改正

2025/07/18 17:40 

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 防衛省は18日、有毒物質に汚染された地域での活動が含まれる部隊にも女性自衛官を配置できるよう女性活躍推進の取り組み計画を改正した。今回の改正によって、女性自衛官の配置制限が陸海空自衛隊で全て撤廃され、防衛省が1993年以降進めてきた制限見直しが完了した。

 新たに女性自衛官を配置できるようになったのは、陸上自衛隊の特殊武器防護隊と化学防護隊で、いずれも放射能などによる汚染地域の偵察や除染が活動に含まれる。これまでは「母性の保護」として不妊につながる可能性がある職務には女性自衛官を配置しない運用をしていたが、配属を強く希望する女性自衛官がいたことなどから省内で検討。防具や車両など装備の性能向上や、被ばく量の基準を設けた運用制限などによって安全に任務に当たることが可能と判断した。

 防衛省は93年、戦闘を行う部隊や肉体的な負荷が大きい職務にも女性自衛官を配置できるようにしたが、母性保護や男女間のプライバシー保護などを考慮し、潜水艦や戦闘機など一部の部隊などへの配置を制限していた。これらの制限も2007年以降に順次撤廃され、15年に航空自衛隊が戦闘機などを、18年に海上自衛隊が潜水艦を開放していた。【中村紬葵】

毎日新聞

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