赤坂サウナ火災 前オーナーの関係先を家宅捜索 警視庁

2026/02/19 17:35 

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 2025年12月に東京・赤坂の個室サウナ店でドアノブが脱落してサウナ内に閉じ込められた客の夫婦が死亡した火災で、警視庁捜査1課は19日、この店のサウナで過去にもドアノブの脱落により利用客が閉じ込められる事故が起きていたと明らかにした。この時の客にけがはなかったが、警視庁は、店側がドアノブの不具合による閉じ込めの危険性を認識できたとみて業務上過失致死容疑で調べている。

 火災は12月15日に東京都港区赤坂6の個室サウナ店「サウナタイガー」で発生し、利用客の松田政也さん(当時36歳)と妻陽子さん(当時37歳)が亡くなった。2人が入っていたサウナのドアノブが外れて落ちており、扉が開けられずに閉じ込められたとみられている。

 警視庁によると、この火災の半年以上前、店内の別の部屋のサウナでもドア内側の取っ手が外れ、客が一時閉じ込められる事故があった。外にいた同伴者が気付いて扉を開け、客は無事だった。店側もこの事実を把握していたとみられる。

 また同じ頃、内装業者から店側に「安全面を考えてドアノブのない押し戸に変えた方がいい」との提案があったことも確認された。サウナ店の男性社長と女性マネジャーは任意聴取に「前オーナーに押し戸への変更を提案したが、『密閉性が下がって熱が逃げる』と断られた」と説明しているという。

 店では22年のオープン後、5部屋あるサウナの扉が全てドアノブ付きに替えられた。取っ手の不具合はしばしば起きていたといい、火災が起きた部屋では過去に少なくとも2度、ドアノブが交換されたとみられる。

 社長らは、こうした判断が前オーナーによるものだったとの趣旨の話をしており、警視庁は19日に千葉市にある前オーナーの関係先を家宅捜索した。今後事情も聴く方針で、安全管理を含めた店の経営にどこまで関与していたか調べる。

 店の安全対策を巡っては、火災時にサウナ内の非常ボタンが作動せず、別のフロアの事務室にある受信盤の電源が切られていた。社長は「電源は今まで一度も入れたことがない」と話している。

 また、火災で消防隊が到着した際、サウナがある部屋のドアは施錠されたままだった。火災を検知した非常ベルが鳴っていたが、従業員らが安全確認や救助をした形跡はなく、緊急時の対応にも不備があった可能性が指摘されている。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

毎日新聞

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