多度大社の上げ馬神事始まる 批判受け、24年以降スタイル変更

2026/05/04 20:09 

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 人馬が一体となって急坂を駆け上がる「上げ馬神事」が4日、三重県桑名市の多度大社で始まった。陣笠(じんがさ)に裃(かみしも)姿の騎手が祭馬にまたがり、計6回にわたって境内に設けられた斜面を疾駆した。

 起源は約700年前の南北朝時代にさかのぼるとされ、県無形民俗文化財にも指定されている伝統行事。以前は坂の最上部に築かれた土壁を越えた回数で農作物の豊凶を占っていた。

 しかし、2023年に骨折した馬が殺処分されたことを機に「動物虐待だ」との批判が相次ぎ、24年以降、壁を取り除いて坂道を駆け上がるスタイルに変更し、継続している。

 上げ馬は、さまざまな儀式を経て午後1時から実施。三つの地区から神占式(神の意思を問う占い)で選ばれた青年が各2回、それぞれ違う祭馬に乗って坂道を疾走した。5頭目までは見事に成功したが、6頭目は惜しくも坂を上りきれなかった。

 岐阜県関市から初めて訪れたという会社員の長沼正美さん(57)は「土壁があった時代の神事は映像で見た。生で見られて良かった」と話した。

 多度大社によると、以前に比べて参加する地元の関係者や見物客は減少傾向にある。広報担当者は「それでも担い手不足の中、継続して奉納していただき、ありがたい。形は変わっても今後も続けていきたい」と述べた。

 神事は5日の本祭でも行われ、午後1時から花笠武者姿の騎手3人が1回ずつ騎乗する。【石本万象】

毎日新聞

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