くい打ち不正でマンション建て替え 業者に14億円の賠償命令
施工時のくい打ち工事の不正でマンションが傾き、建て替えを余儀なくされたとして、事業主の三井不動産レジデンシャル(東京)が施工業者3社に総額約505億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は17日、施工業者3社に計約13億9600万円の賠償を命じた。レジデンシャル側は全4棟(705戸)の建て替え費用に加え、住民の仮住まい代や慰謝料を求めていた。
3社は、元請けの三井住友建設▽1次下請けの日立ハイテク▽2次下請けで、くい打ち工事を担当した旭化成建材(いずれも東京)。3社に連帯して約13億4360万円の賠償を命じ、くい打ちのデータを改ざんした旭化成建材にはさらに単独で約5240万円の支払いを命じた。
問題となったのは、横浜市都筑区の分譲マンション。管理組合は2016年に全棟の建て替えを決議し、レジデンシャル側が費用を負担。21年に建て替えが完了し、住民が再入居している。
訴状によると、マンションは07年に完成したが、14年に棟同士をつなぐ手すりに段差があるのが見つかった。その後の調査で、建物を支えるくい6本が強固な地盤に到達せず、別の2本は打ち込みが足りないことが判明。くいを補強する凝固剤の注入量のデータなどが改ざん・流用される不正も明らかになった。
レジデンシャル側は訴訟で、くい打ち工事の不正で建物の安全性が損なわれ、全棟を建て替える必要があったと主張。旭化成建材が安全性を欠いた工事をした上に意図的に悪質なデータ改ざんを行い、元請けと1次下請けの2社は適切に施工されているかを監督する義務を怠ったと訴えた。
これに対し、3社側は「請求には根拠がない」などと反論していた。
このマンションでのくい打ち工事の不正をきっかけに、マンション、公共施設など360件で同様の不正が見つかるなど問題が全国に広がった。【安達恒太郎】
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