大関・大の里、同世代の尊富士との2敗対決で辛勝 大相撲春場所

2025/03/20 20:43 

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 ◇大相撲春場所12日目(20日・エディオンアリーナ大阪)

 ◇〇大の里 はたき込み 尊富士●

 相撲の内容は負けたが勝負に勝った。賜杯争いを大きく左右する2敗同士の対戦は大関・大の里が尊富士に辛勝してトップを守った。

 低い姿勢の尊富士に当たり負けて、たちまち俵に詰まった。右に逃げながら両手で尊富士の首筋をはたくと、相手は飛び込むように右手から土俵に落ちた。

 九重審判長(元大関・千代大海)は「大の里はあれ(はたき)しかできなかった。相撲は尊富士の一方的な内容。(苦し紛れのはたきが)大の里の悪いところ。しっかり大関としての相撲を取ってもらいたい」と苦言を呈した。大の里も十分に理解しており、「内容としては良くなかった」と反省した。

 昨年の夏場所で幕下付け出しデビューから史上最速の所要7場所での幕内優勝を果たした大の里と、1年前の春場所で110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士。大いちょうが結えない「ちょんまげ力士」で賜杯を手にした経験がある2人は同世代で意識せざるを得ない相手だ。しかし、報道陣に尊富士の存在を問われた大の里は「それは場所が終わったら」と言及を控えた。

 悪い内容でも、貴重な勝ちを拾い、優勝争いで高安と2敗で並ぶ。残すは3日。「冷静に落ち着いて一番一番」。泰然自若のその先に賜杯がある。【荻野公一】

毎日新聞

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