井岡一翔、十回にダウン奪うも劣勢は覆らず WBA・Sフライ級

2025/05/12 00:00 

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 ◇ボクシング WBAスーパーフライ級タイトルマッチ(11日、東京・大田区総合体育館)

 ◇●井岡一翔 判定(0―3) フェルナンド・マルティネス○

 見せ場は作った。だが、井岡一翔の反撃は遅く、10カ月ぶりの王座返り咲きはならなかった。

 ポイント上では中盤までリードを許して迎えた十回だった。接近戦でカウンターの左フックを効かせ、さらに左を合わせて鮮やかにダウンを奪った。

 それでも倒しきれない。井岡は左を上下に打ち分けながらも、手数で勝る相手に決定的場面は作れなかった。「体力的にも結構きつかった」。結果的に一度のダウンを奪っただけで劣勢は覆らず、敗れた昨年7月の雪辱はならなかった。

 2011年2月に21歳でミニマム級の世界ベルトを獲得してから14年がたった。17年の大みそかには現役引退を表明したが、翌年に復帰。19年には日本男子初の4階級制覇も果たした。

 今年3月には36歳となった。長谷川穂積が持つ35歳9カ月の日本男子による世界王座奪取の最年長記録更新への期待も高かったが、かなわなかった。

 世界戦の通算勝利数は、井上尚弥(大橋)の25勝に次いで日本男子歴代2位を誇るベテラン。世界戦では過去3度、再戦を経験してきたが、プロ36戦目で初めて同じ相手に連敗を喫した。

 試合後は「期待に応えられなかったのは素直に悔しい。ただ、やりきった気持ちはあった」と言いつつも、「引退しようという気持ちはない」と振り返った。【飯山太郎】

毎日新聞

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