大の里、「鬼門」の初日突破 綱取り向け好発進 大相撲夏場所

2025/05/11 20:59 

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 ◇大相撲夏場所初日(11日、東京・両国国技館)

 ◇○大の里(寄り切り)若元春●

 「鬼門」の初日を突破した。大の里が関脇経験者の若元春を難なく退け、綱取りに向けて好発進した。

 けんか四つの相手の上体をもろ手突きで起こし、右差し左おっつけの得意の形に持ち込む。持ち味の前に出る相撲で押し、春場所に土をつけられた相手に何もさせず、俵を割らせた。

 入幕後、初日を落とした場所は優勝争いに絡めていない。不本意な相撲が多い初日を「鬼門」と表現し、「入りこそ重要」と繰り返していたが、「しっかり落ち着いて対処できた。良かったです」と、取組後の支度部屋では安堵(あんど)の表情も浮かべた。

 1日の二所ノ関一門の連合稽古(げいこ)は体調を崩して参加できず、2日の横綱審議委員会の稽古総見では横綱・豊昇龍に力負けする相撲が目立ち、「上半身と下半身の動きがばらばら。足りないところばかり」と反省しきりだった。

 調整不足が懸念される中、「初日まであと1週間ほどあって良かった。これからが鍵になる」と前を向き、師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の胸も借りて急ピッチで調子を上向かせてきた。

 2023年夏場所で初土俵を踏んでから13場所目。幕内で優勝した過去3場所はいずれも白星でスタートしている。綱取りに向けて八角理事長(元横綱・北勝海)は「今日みたいに圧倒して『横綱』という相撲を見せないといけない」と発破を掛ける。

 12日の相手は先場所の本割で敗れ、優勝決定戦では降した小結・高安だ。「一日一番集中する」。24歳の横綱候補にとって勝負の15日間が始まった。【黒詰拓也】

毎日新聞

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