「たかが2回じゃない」「プロに協力を」 高校野球7回制を議論
日本高校野球連盟は導入を検討中の7イニング制について、意見交換会を6日までに2回開いた。2028年春をめどに採用するのが望ましいとした監督経験者らで作る検討組織の提言を受け、内容の周知も含めて実施した。現場の指導者や、選手をサポートする医師ら有識者12人が交わした意見を改めて振り返る。
検討組織は昨年12月、28年春の第100回記念選抜大会以降の「全ての公式戦」での採用を最終報告書で提言した。酷暑や現場の負担を減らす働き方改革、部員数の減少などの課題解決に向けて有効というのが理由だ。一方で、日本高野連が同じタイミングで発表した加盟校へのアンケート結果では約7割が7イニング制に反対する。
意見交換会では、地方大会に長年携わる京都府立舞鶴こども療育センターの琴浦義浩・整形外科部長が「試合の後半になると選手に熱中症が起こってくることが分かった」と指摘。選手の多くは試合中に回復できるほどの症状としつつ「(炎天下で観戦する)高齢者やブラスバンド(の生徒ら)は重症度が高い」と厳しい現場の状況を説明した。
参加者からは7イニング制とすることのメリット、デメリット(表を参照)を指摘する声が出た。監督として甲子園春夏通算9回の優勝を誇る大阪桐蔭高の西谷浩一監督は「たかが2イニングではない」と選手の出場機会の減少などを理由に明確に反対した。
暑さへの対策を意識した最終報告の代案として、夏の甲子園大会の開催時期の変更や、同大会に限った7イニング制採用、さらには試合時間短縮のためストライクゾーンを広げるなどさまざまな案が出た。
7イニング制を巡る検討組織のメンバーを務めた東京・日大三高前監督の小倉全由(まさよし)さんからはプロ野球に協力を求める声が上がった。「プロ野球を支えているのは高校野球。現状を理解してもらい、もっと高校野球にグラウンドを貸してやろうと(思ってもらえたら)」と暑さを避けるための開催期間の延長を念頭にした発言もあった。
議論の中で、出場機会を確保するためのリーグ戦や出場登録選手数の拡大などの導入は、7イニング制の是非にかかわらず賛同する意見が多かった。
7イニング制導入に関しては意見交換会の議論も踏まえ、理事会で引き続き検討し、対応を決める。【村上正】
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