広がる「審友」リストバンド 都市対抗野球から大相撲行司にも

2026/08/29 08:00 

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 プロ野球で4月にバットが頭に直撃し、治療中の川上拓斗審判員(30)を支援する動きが大会や競技を超えて広がっている。現在開催中の第97回都市対抗野球大会では「審友」への思いを込め、支援のリストバンドをつけて試合に臨む審判の姿があった。

 川上さんは4月16日に神宮球場で行われたヤクルト―DeNA戦で、ヤクルトのオスナ選手のバットが頭部に直撃。緊急手術を受けて現在も治療中だ。

 リストバンドは故郷・新潟の、日本野球連盟(JABA)新潟県野球連盟審判部が作成した。色は川上さんが好きなオレンジ、日本野球機構(NPB)での川上さんの番号である「29」があしらわれている。価格は見舞金、作製費、事務費込みで一つ1500円だ。

 6月下旬に同県三条市で開かれた都市対抗北信越2次予選では、審判だけでなくグラウンドキーパーやアナウンス係ら多くの関係者が着用した。

 そして、都市対抗本大会。26日の開幕試合では、グラウンドに出た審判4人全員がリストバンドをつけて試合をさばいた。いずれも個人の意思だ。

 支援の輪は、野球だけにとどまらない。大相撲の幕下格行司の木村悟志さん(37)は、両手首につけられるように二つを購入した。理由は、同じスポーツを裁く「審友」として、「川上さんのために何かしたいと考えました。いつけがをするか分からないのは、僕らも一緒」だからだ。

 悟志さんは2006年に日本相撲協会に採用されるまでは、アマチュア野球の審判もしていた縁もあった。土俵上では行司装束に身を包むため、リストバンドは見えない。だが、以前から汗止めとして使うことはあった。

 注文したリストバンドが届いたのは、7月の名古屋場所前。悟志さんが所属する高砂部屋の宿舎だった。JABA新潟県野球連盟審判部の桜井智部長(65)は「最初は『高砂部屋?』と思いました。後から行司さんからと知りました」。他にも格闘技の審判の団体から申し込みが来ている。

 当初は数百もあればと考えていた申し込みは、2000は大きく超えた。得られた資金は、川上さんらの支援だけでなく、審判用ヘルメットの購入などにも広がっている。

 「川上さんのお父様からも『審判の安全対策に収益を使ってほしい』と言っていただいています」と桜井部長。「審友」の輪の広がりは止まらない。【飯山太郎】

毎日新聞

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