郵政に交付金拡充の改正法が成立 27年度から年650億円投入へ
郵便を国民生活に不可欠な「ユニバーサルサービス」として維持するために交付金を拡充する改正郵政民営化関連法が19日、参院本会議で可決、成立した。2027年度から年650億円規模の交付金を政府が日本郵便に投入し、全国の郵便局網を安定させる。郵便事業は人口減少やデジタル化の進行に伴い、採算が取れない状況が続いており、07年に始まった郵政民営化は節目を迎える。
日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険は、持ち株会社の日本郵政を合わせ、日本郵政グループを構成する。交付金の財源は、政府が保有する日本郵政株の配当金や、預けたまま引き出されずに権利が消滅した旧郵便貯金など。改正法では「郵便局ネットワークの維持・活用」のためとして、日本郵便の人件費などに使われる。
改正法では、日本郵政にゆうちょとかんぽの株式の3分の1超の保有を「当分の間」義務付けた。「できる限り早期に処分する」とした従来方針を転換した。
グループの稼ぎの大半はゆうちょとかんぽの2社に依存し、日本郵便は2社からの手数料や交付金に支えられてきた。日本郵政が2社の株を完全売却した後も日本郵便のサービスが維持できるか不安視され、売却を制限することとした。
住民票の発行などの公共サービスも、日本郵便の「本来業務」に加えた。
今回の法案作りは、自民党の支持基盤として知られる旧特定郵便局の局長らでつくる全国郵便局長会の要望を受ける形で、自民が主導して進めた。
日本郵政の26年3月期連結決算によると、郵便・物流事業は118億円の赤字だった。改正法では公布後2年をめどに、政府が郵便事業の安定した運営を確保するための政策を検討するよう定めており、支援による延命の間に立て直しを図る。【渡辺暢】
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