不登校離職、年5000億円の損失か 勤務先に相談で1701億円減試算

2026/07/31 08:00 

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 不登校の子どもを育てる親が離職した場合、経済損失は年間約5000億円――。民間のシンクタンクが、こんな推計値を発表した。担当者は「企業や社会にとって無視できない経済的影響があることが示唆される」とし、相談体制の整備や柔軟な勤務体系の導入を提言している。

 ◇社会への経済損失明らかに

 子どもが不登校となった場合、特に低学年の場合は見守りが必要になり、保護者が離職するケースは少なくない。離職によって家族が経済的に困窮したり、社会とのつながりを失って孤立したりするとの指摘はあるが、社会全体にとっての経済損失が明らかになるのは珍しい。

 組織・人事戦略などを研究するインソース総合研究所(東京都)の発表によると、過去にNPO法人などが実施した複数の調査を基に、不登校に伴う離職率を15・2%と仮定。保護者の年齢を35~54歳と設定し、文部科学省の2024年度調査における不登校児童生徒数、中小企業庁のデータにおける労働生産性(従業員1人当たりの付加価値額)などを用いて推計すると、経済損失額は4972億円に上った。

 一方、保護者が不登校について勤務先で人事部門に相談した場合は離職率が下がる可能性があり、損失額を1701億円減らすことができると試算した。

 ◇「口外しにくい」指摘も

 推計を担当した塚田聡主任研究員は「かつては介護について勤務先に相談しにくいという風潮があったが、当時の状況に似ており、保護者は子どもの不登校を口外しにくく勤務先にも相談できずにいるのではないか」と指摘。企業が相談窓口を周知したり、在宅勤務など柔軟な勤務制度を運用したりすることで、保護者が就業を継続でき、経済損失の抑制にもつながる可能性があるとしている。【斎藤文太郎】

毎日新聞

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